相続手続きは死亡届提出から税申告まで多くの手順があり、期限を過ぎると加算税や過料がかかることがあります。
戸籍や財産の確認を早めに行うと、争いや余計な費用を防げます。
本稿は「相続手続きの流れ」を段階別に整理し、解説していきます。

相続手続きの流れ

相続は以下の手順ですすみます。

• 遺言確認
• 相続人の確定
• 遺産分割協議
• 名義変更

ひとつずつみていきます。

遺言確認

相続が発生した際、まず遺言書の有無を確認します。
遺言書が存在する場合、その内容が遺産分割において優先されます。
自筆証書遺言の場合、家庭裁判所での検認手続きが必要となります。
公正証書遺言や法務局で保管された自筆証書遺言は検認が不要です。

相続人の確定

相続人を確定するためには、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得し、法定相続人を特定します。
また、相続人全員の現在の戸籍謄本も必要です。
これらの書類は、遺産分割協議や名義変更の際に必要になります。

遺産分割協議

遺言書がない場合や、遺言書に記載されていない財産がある場合、相続人全員で遺産分割協議を行います。
協議の結果は「遺産分割協議書」として文書にして、相続人全員の署名と実印の押印をします。
この協議書は、不動産の相続登記や預貯金の名義変更手続きにおいて必要な書類となります。

名義変更

名義変更は、相続財産を正式に相続人のものとするために行う重要な手続きです。
中でも不動産の相続登記は2024年4月から義務化されており、期限内に登記しなければ過料の対象となる可能性があります。
また、預貯金の名義変更も、各金融機関の定める書類と手続きに沿って行う必要があります。
いずれも戸籍謄本や遺産分割協議書など複数の書類が必要で、事前準備と正確な対応が求められます。

手続きで注意すべき点

相続では書類不足や期限遅延が頻繁に起こります。
特に次の注意点を早めに確認すると、修正負担を減らせます。

• 戸籍不足による新たな相続人の発見（認知した子など）
• 相続財産の調査不足による遺産分割のやり直し
• 相続税申告の漏れによる課税額

疑問が残る場合や相続財産が多岐にわたる場合は、専門家に資料を示して助言を受けると安全です。

まとめ

相続は段階ごとに期限と書類が定められています。
遺言確認、相続人確定、協議、名義変更・税申告の流れを意識すると、手続きが効率化します。
一方で戸籍収集のミスや、不動産の評価の誤差は損失に直結します。
不安を抱えたまま進めず、弁護士などの専門家へ早めに相談し、法的リスクを抑えることがおすすめです。